【父が亡くなり株式が準共有状態。権利行使できる?】

中小企業の社長が、事業承継に関し何ら対策を講じないまま亡くなった場合、紛争が生じる可能性があります。

事業の継続にとって重要な企業の所有権が表章される株式が、相続人間の共有(準共有)になってしまうと、権利行使さえできなくなる可能性もあり、ひいては、事業活動が停滞する結果となります。

そうすると、企業の価値、株式の価値も下がり、株主たる相続人の利益にはなりません。

判例では、相続分に応じて、原則、持分の過半数で権利行使者の指定をすることができるされています。

 

早期に協議を整わせ、遺産分割を行い、この株式の準共有状態を解消する必要があります。土地建物などの事業用財産についても、同様です。

 

遺言を準備していなかった場合、相続人間の関係性や関係者数によっては、早期の解決もできません。

その間、取引先や従業員等が離れていくことも。

 

退任の5~10年位前から、事業承継の対策を立て計画的に進めていく経営者の方もおられます。

途中、クーデターが起こる場合もありますが。

事前の準備ですね。

——————————————————————————————–
ホームページ:http://www.souzoku-bengo.com/index.html
弁護士費用について:http://www.souzoku-bengo.com/cost.html

中西雅子法律事務所
弁護士 中西 雅子(東京弁護士会所属)
〒103-0027 東京都中央区日本橋3-2-14 日本橋KNビル4
TEL:03-3926-0762
FAX:03-6740-1724
受付時間:9:00~18:00(平日)
——————————————————————————————–

【葬儀費用が払えない。。預貯金の払い戻しの制度】

平成28年12月19日の最高裁の判断までは、相続財産である預貯金は、遺産分割の対象ではありませんでした。一般的な感覚とは違ってました。

もっとも、相続人全員の合意があれば協議で分割できるのですが、法律上は相続開始により、相続分に応じて当然分割されるものだとされてきました。

ところが、平成28年12月、最高裁で、預貯金債権は、相続開始と同時に当然分割されることはなく遺産分割の対象になるという判断がなされました。

 

そうすると、払戻しにも協議が整っていることが必要となり、共同相続人による単独の払戻ができず、葬儀費用や相続債務の支払あるいは同居していた相続人の生活費など、資金が必要な場合に不便が生じてしまう場合が出てきます。

 

そこで、今回の改正では、金額による制限はありますが、預貯金債権の一定割合について、家庭裁判所の判断を経なくても金融機関の窓口における支払いを受けられるようになりました。

施行日は、平成31年7月1日からです。

金額の制限は、(相続開始時の預貯金債権の額)の1/3に払戻しを行う相続人の法定相続分を乗じた額です(新法909条の2)。

一つの金融機関からは上限150万円までのようです(法務省令で)。

——————————————————————————————–
ホームページ:http://www.souzoku-bengo.com/index.html
弁護士費用について:http://www.souzoku-bengo.com/cost.html

中西雅子法律事務所
弁護士 中西 雅子(東京弁護士会所属)
〒103-0027 東京都中央区日本橋3-2-14 日本橋KNビル4
TEL:03-3926-0762
FAX:03-6740-1724
受付時間:9:00~18:00(平日)
——————————————————————————————–