【相続人の廃除制度~夫婦の場合】

離婚が成立すれば、配偶者は推定相続人ではなくなります。

ですので、夫婦関係にある推定相続人の場合には、離婚原因である「婚姻を継続し難い重大な事由」(民法770条1項5号)と同程度の非行が必要であると解されています。

財産を残したくない、というとまずは離婚を考えます。しかし、諸々の事情でまだ離婚はできないということもあります。

以下は、最高裁令和3年3月25日判決(中小企業退職金共済法第14条1項1号の配偶者の争点)の中で、事実上の離婚状態にある妻の夫に対する推定相続人を廃除する危急時遺言に基づき、家裁が廃除の審判をしたことが認定されたものです。

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【相続人廃除の制度~親子の場合】

 高齢になった一人暮らしの親を、子(推定相続人の一人)が自分の近隣のアパートに住まわせ、その預貯金を整理・管理すると言って、通帳を預けさせていたところ、ATMで頻繁に出金され、合計で数千万円に上っていたことが判明した。

その親御さんは、そのままにしてきた自宅不動産に戻り、不正に引き出された預金の取戻しを考えていました。訴訟まではどうも気持ちが進まない様子。そこで、まず、相続人廃除の制度を説明しました。

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【相続に関するルールが変わる】

人生100年時代と、よく聞く言葉になりました。

社会の高齢化が進み、それに伴って、社会や経済が変化し、これらに対応するように、昨年7月、相続法に関するルールが見直されました。

1980年(昭和55年)に改正されて以来の大きな見直しでした。

この昭和55年改正までは、配偶者の相続分は3分の1、子供の相続分が3分の2だったのですね。

今回の改正は、被相続人の死亡により残された配偶者の生活への配慮等の点から

①配偶者居住権の創設

②婚姻期間が20年以上の夫婦間における居住用不動産の贈与等に関する優遇措置

また、遺言の利用を促進し、相続をめぐる紛争を防止する点から

③自筆証書遺言の方式緩和

④法務局における自筆証書遺言の保管期間の創設

その他、⑤預貯金の払い戻し制度の創設

⑥遺留分制度の見直し

⑦特別の寄与の制度の創設

などです。それぞれ施行日が異なります。 以上

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