【相続分の指定~特別受益の持戻し免除と遺留分】

 父の遺言書には、「全財産について、長男に3分の2、次男(である私)に3分の1を相続させる。」とありました。相続人は2人だけ、私の遺留分4分の1は害されてはいないようです。

しかし、兄は、父の生前に、家の購入資金を援助してもらっています。

私はどのような手続をしたらいいのでしょうか?父の遺産には預貯金の他、不動産があります。

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【持戻し免除の意思表示  家業の承継】

父は、先代からの家業である不動産賃貸をしていましたが、遺言を残さず亡くなりました。相続人は、母、長男、長女、次女です。

自宅不動産は父名義のままでしたが、父は生前、多くの不動産を、長男やその家族に贈与していました。

父の気持ちは聞いていませんが、会社員の長男が、家業を引き継ぐことになると思います。

遺産分割協議の際、長男への生前贈与を持戻して計算をしていいのでしょうか、持戻し免除になる場合とは、どのような場合でしょうか? 続きを読む 【持戻し免除の意思表示  家業の承継】

【建物の無償使用は特別受益?】

 

父が亡くなり、遺産分割の話となり、私は、理解できません。
母は既に亡くなっており、相続人は、長男と長女とそれに次女の私です。
父は、母が亡くなった後、長男に近くに住んでほしいと強く頼んだそうです。
長男夫婦は、父の自宅近くにある父名義の建物に住んでいました。もちろん無償です。

一方、長女は、夫の仕事が長続きせず、収入が不安定。心配した父は、自宅からは少し離れた父名義の賃貸アパートの一室を長女家族に無償で使用させてきました。

次女である私は、住宅ローンで家を持ち、独立した生活をしてきました。
父の遺産分割に当たり、私としては、兄や姉は住宅費用が掛からなかったので、得をしていると感じます。兄や姉の住居費分はいわゆる「特別受益」にあたらないのでしょうか?

たしかに、父の建物に無償で居住してきたという場合、賃料相当額の特別受益の問題が生じますね。そうすると、結構、大きな金額になりそうです。
しかし、建物の使用借権を、一般論として客観的に考えてみると、土地の使用借権と違って、第三者に対する対抗力がなく、建物の名義人が変わったら無償で住んでいた住人は退去せざるを得ないという意味で明け渡しも容易であることからするなら、経済的価値がないに等しいと評価できます。

仮に特別受益になるとしても恩恵的要素が強く、持ち戻し免除の意思表示があると考えられています。

もっとも、収益物件で本来賃貸しているものを相続人に居住させたという場合には、賃料相当額が特別受益になり得ることも考えられます。長女がそうですね。

しかし、特別受益になるとしても、長女家族に賃貸アパートを使用させるに至った経緯から察するに、やはり、父の黙示の持ち戻し免除の意思表示が認められると思います。

なんだか不公平ですが。。。

長女家族の生活が経済的にも安定してきた時点以降は、父の意思は、賃料を収受するつもりだったかも知れませんね。 以上

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