【遺産の調査】

 

父が亡くなりましたが、財産や負債など遺産の全容について把握していません。相続人は父と同居していた長男、それから次男、長女の私です。母は数年前に亡くなっています。

先日、長男から遺産である不動産の分割について提案がありましたが、預貯金については、ほとんどないという説明でした。

とても不信感があります。

そこで、父の遺産を自分で調査するには、どのようなことをすればいいのでしょうか?特に金融資産についてです。

 

金融機関に問い合わせをすれば、相続人であれば預貯金口座や証券口座の有無を教えてくれます。全支店照会をして口座の有無を調べてくれる場合もあります。

ただ、どの金融機関に依頼するのか、当たりを付けないと大変です。

例えば、亡くなった方(被相続人)の最後の居住地近くの金融機関、行動圏内の金融機関、あるいは、郵便物、メモ書き、日記等に金融機関名が記載されてないかを確認します。

 

そして、本件の場合もそうですが、口座の有無が明らかになった場合には、残高証明及び取引履歴を取得することが大切です。これも相続人であれば依頼できます。

取引履歴によって、不自然な出入金などから使い込みや隠し財産の存在が発覚する可能性もあります。

 

また、本件では問題にならないと思いますが、一般的には、借金についても把握が難しい場合があります。亡くなって、しばらくしてから債権者から相続人のところに通知が来るなど。被相続人の郵便物を調べてみることも必要です。

信用情報機関に問い合わせるという方法もあります。以上

 

 

【相続開始後の賃貸不動産の賃料につき、調停で話し合えますか?】

母が亡くなり、かなり時間が経過しました。

遺産である不動産は賃貸中のものであり、賃料がたまっているので精算してくれないかと思っています。

生前は母名義の預金口座に振り込まれていましたが、死亡後は同居の兄の口座に振り込まれているようです。

相続人は、私と兄、母の死亡後に亡くなった姉の子どもたちです。

私は、不動産自体をどのように分割するかについても協議していないので、 “【相続開始後の賃貸不動産の賃料につき、調停で話し合えますか?】” の続きを読む

【祭祀財産の相続性、祭祀承継者の決定】おりんは誰が取得する?

両親が亡くなり、生前、父は、仏壇を守ってもらう子に承継してもらいたいと、金製の「おりん」を購入していました。

相当な金額であると聞いていましたが、これも遺産分割の対象財産に含めるのでしょうか?

また、だれが仏壇を守るかもはっきり決まっていません。

 

民法897条は、『系譜、祭具及び墳墓の所有権は、前条の規定(相続人は、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継するというもの)に関わらず、慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者がこれを承継する。』と定めているので、これら祭祀財産は、相続財産とは別個の財産として、祖先の祭祀を主宰すべきものが承継することになります。

  そして、祭具とは、位牌、仏壇等の礼拝の用に供するものをいいますので、「おりん」は、この祭具に該当することとなります。

ですから、遺産分割の対象にはなりません。

 

では、祭祀承継者はどのように決められるのでしょうか?   

祭祀承継者については、①被相続人の指定がある場合には、その指定された者、指定がない場合は②地方の慣習による、慣習が明らかでない場合には③家庭裁判所の調停もしくは審判で決められる(民法897条1項,2項)とされています。

相続人の間で争いがない場合には、遺産分割調停手続きの中で祭祀承継者を決めることは可能ですが、本来は、別途の申立て(調停手続または審判手続)が必要になります。

そして、祭祀承継者を定める基準として、裁判所は、「承継候補者と被相続人との間の身分関係や事実上の生活関係、承継候補者と祭具等との間の場所的関係、祭具等の取得の目的や管理等の経緯、承継候補者の祭祀主宰の意思や能力、その他一切の事情(例えば利害関係人全員の生活状況及び意見等)を総合して判断すべきであるが、祖先の祭祀は今日もはや義務ではなく、死者に対する慕情・愛情・感謝の気持ちといった心情により行われるものであるから、被相続人と緊密な生活関係・親和関係にあって、被相続人に対し上記のような心情を最も強く持ち、他方被相続人からみれば、同人が生存していたのであれば、おそらく指定したであろう者をその承継者と定めるのが相当である。」としています(東京高裁平成18年4月19日決定)。

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