【遺留分減殺請求権  父の唯一の遺産である不動産が妹だけ?】

母は数年前に亡くなり、父は、1年程前に亡くなりました。

相続人は私と妹の2人だけです。父は、遺言書を残しており、父名義の不動産(土地・建物)を妹に相続させるとありました。他に遺産はほとんどありません。 

私は、自己の遺留分を請求したいと思いますが、具体的にどうしたらいいのでしょうか?

まずは、内容証明郵便等で遺留分減殺請求の意思表示をします。

これにより、不動産について、4分の1(遺留分割合)の持分を、当然に持つことになります。

そして、原則は現物の返還ですから、妹との共同申請で不動産登記をすることになります。

しかし、この場合、不動産の共有状態になり、後々紛争の種を残すことにもなりますから、遺留分に相当する価額を賠償してもらって解決する方法もあります。

 

では、妹が既にその不動産を第三者に売却していた場合はどうでしょうか?

この買主である第三者が、買受時に遺留分権利者に損害を加えることを知っていたときは、この買主に対しても遺留分減殺請求(内容証明等で意思表示)をすることができます(民法1040条1項但書)。

現実的には、この場合も他人との共有状態になりますから、遺留分相当額の価額を賠償してもらうことになると思います。(妹からか買主からか、どちらかですね。)

では、遺留分減殺請求権後に妹が第三者に売却していた場合は?

遺留分の限度で、所有権が遺留分権利者に復帰しますので、第三者との登記の先後により決められます。

第三者が既に登記をしていた場合は、妹に対する遺留分相当の価額賠償請求をしていくことになります。

 

いずれにしても、不動産からの賃料収入が見込めるなどの場合でなければ、金銭的に解決する方法がいいのではないかと思います。

——————————————————————————————–
ホームページ:http://www.souzoku-bengo.com/index.html
弁護士費用について:http://www.souzoku-bengo.com/cost.html

中西雅子法律事務所
弁護士 中西 雅子(東京弁護士会所属)
〒103-0027 東京都中央区日本橋3-2-14 日本橋KNビル4
TEL:03-3926-0762
FAX:03-6740-1724
受付時間:9:00~18:00(平日)
——————————————————————————————–

 

【孫への生前贈与は子供への特別受益になるの?】

父が亡くなりました。相続人は兄と妹の子供2人です。

父は生前、私の娘を大変可愛がっており、娘の結婚の際、娘名義のマンションの頭金を出してくれました。

ところが、妹から、遺産分割の際、その分は私への贈与と同じだから、「特別受益」として相続分から引くべきだと言われました。「お兄さんばかり可愛がられて不公平」と。

どうなるのでしょうか?

遺産分割時に問題となる特別受益は、あくまで、贈与を受けた「相続人」です。

相続人である子供がいる場合には、孫は相続人ではないので、孫への贈与は、子供への特別受益にはなりません。

ただ、便宜上、贈与の名義は孫にしたけれども、実質は相続人である子供に対する贈与であると言えるような場合には、相続人である子供への特別受益に該当する可能性が出てきます。

例えば、マンションの頭金の例でいえば、子供と孫が同居していて、世帯主はあくまで子供であるといった場合などです。この場合、被相続人としては、相続人である子供に贈与したいという意思があったといえます。

実質的な判断をするには、当事者の関係性、当時の相続人である子供の収入状況や生活状況といった要素も考慮されるのではないかと考えられます。

今回のケースでは、孫娘の結婚を機に、祖父が可愛がっていた孫娘に贈与する意思でマンションの頭金を出してあげたと言えるでしょうから、相続人である子供に対する贈与ではなく、特別受益には当たらないと考えられますね。

妹さんとの遺産分割協議では、マンションの頭金額を、兄の取り分から差し引く必要はないことになります。

——————————————————————————————–
ホームページ:http://www.souzoku-bengo.com/index.html
弁護士費用について:http://www.souzoku-bengo.com/cost.html

中西雅子法律事務所
弁護士 中西 雅子(東京弁護士会所属)
〒103-0027 東京都中央区日本橋3-2-14 日本橋KNビル4
TEL:03-3926-0762
FAX:03-6740-1724
受付時間:9:00~18:00(平日)
——————————————————————————————–