【遺言書の作成~残すのがいい場合】

 

事業をされている方の場合、その事業で使用している不動産をはじめとした財産等や経営の基盤となる自社株が、多数の相続人に分散すると、円滑な事業の継続が難しくなりますので、あらかじめ、遺言を残して置く方がいいと言えます。

もっとも、遺留分の制度がありますから、ここに留意して遺言をされないと、後々、相続人間で紛争が起きることもあります。

事前に遺留分放棄の手続きを取ってもらう必要も出てきます。

 

なお、経営者が被相続人であり、後継者に全ての自社株を相続させたい、しかし遺産の多くが自社株の場合などは、遺留分放棄の要請が高くなります。

この遺留分に関して、一定の要件を満たす経営者の相続の場合には、遺留分に関して民法とは異なる合意をすることも可能となります(中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律)。 “【遺言書の作成~残すのがいい場合】” の続きを読む

【遺言書の内容と異なる遺産分割】

 

生前、父は、「賃貸に出している駅前のビルは、(私に)あげるから」とよく言っていましたが、父の遺言書の内容は、これと違いました。

遺言書には、失業した兄のために、この駅前のビルの4分の3を兄、私に4分の1を相続させるとありました。

遺産は他に、預貯金などの金融資産や両親の住む自宅不動産があります。相続人は、母と兄、私の3人です。

私が駅前のビルを相続することは、父の意思に反するので、できないのでしょうか、遺言内容に従わない分割協議は違法ですか?

 

遺言内容と異なる遺産分割協議も可能です。

ただし、①遺言で遺産分割が禁止されていない。②遺言執行者が定められていないか、あるいは、遺言執行者が同意する。③相続人全員の合意がある。

場合には、裁判例によっても、遺言と異なる内容の遺産分割協議が認められているところです。

 

裁判例(さいたま地裁H14年2月7日判決)では、相続人の意思が一致するなら、遺産を承継する当事者たる相続人間の意思を尊重することが妥当であるということです。

また、法的には、一旦は遺言内容に沿った遺産の帰属が決まるが、合意による遺産分割は、相続人間における当該遺産の贈与や交換を含む混合契約と解することが可能であるし、その効果についても通常の遺産分割と同様の取り扱いを認めることが実態に即して簡明である。と。

 

ただし、遺言の存在を相続人全員が知った上で、協議を成立させることが重要です。せっかく、協議が成立しても、後々、錯誤無効などと意思表示の無効を主張されて協議が無効になる可能性もあります。

そうすると、結局は、遺言の内容通りにということになり兼ねません。

 

お兄さんは遺言の内容を知っていたのでしょうか。。。

以上

 

【遺言書の探し方】

 

生前、父は、「賃貸している駅前のビルは、お前にあげるからね。」とよく言っていましたが、遺言書を書いたという話は聞いたことがありません。

遺言書に書いといてね!などとも言えませんでした。

2か月前に父が亡くなりましたが、父の言っていたように、私は駅前のビルを相続できるのでしょうか?遺言書があるかどうか、どのように調べたらいいのでしょうか。
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