【被相続人の死亡前における預金の使い込みへの対応】

父が亡くなり、父名義の口座履歴を見てみると、父の死亡直前に多額の出金がありました。

相続人は、義理の母親(父の後妻)と子である長男と長女の私です。

長男である兄に聞いてもわかりません。

義理の母に聞くと、入院費等父に必要な経費のために引き出したが、他は生活費の一点張り。

かなりの高額です。このような経費だけでの出金とは考えられません。

協議の申し出に対しても無視されています。

このような状況下、

家裁に遺産分割調停を申立てて解決できるのでしょうか?

調停において、相手方(後妻)に対し、預金の行方や使途などを聞き、医療費等の明細などの資料を開示するよう求めることは可能です。

もっとも、自己に都合の悪いこと等がなければ、調停前の協議に、素直に応じていたはずでしょうから、家裁の調停になったからと言って、上記部分につき解決できるか、合意に至るかはわかりません。

そうすると、この問題は不法行為または不当利得の問題として、地裁で解決することになります。

 

被相続人死亡前の引き出し事例である本件の場合、理論的には、被相続人が後妻に対し、生前に有していた返還請求権等の金銭債権の問題ですから、各相続人は、法定相続分に応じた割合での可分債権を相続したことになります。

これは、各相続人が単独で行使できる債権です。

そこで、地裁では、この各自の債権(損害賠償請求権あるいは不当利得返還請求権)を主張していくことになります。以上

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