【空き家の相続~空き家対策特別措置法】

地方に住む一人暮らしの母が亡くなりました。実家は空き家の状態ですが、売却もなかなか難しい状態です。そのままの状態にしておいて問題ないでしょうか?

今、ニュース等で空き家問題がよく取り上げられていますが、空き家が長期間放置されると、倒壊や火災の危険、不審者による占拠など、防災、衛生、景観等の面から近隣住民の生活環境に悪影響が及びます。

平成27年から、空き家対策特別措置法が施行されています。

この措置法では、①倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態、②著しく衛生上有害となるおそれのある状態、③適切な管理が行われないことにより著しく景観を損なっている状態、④その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態、

このような状態にある空き家を「特定空家等」とし、自治体の調査によって特定空き家に指定された場合には、自治体からの「助言・指導」が行われ、それにより状況が改善すると指定は解除されます。

しかし、改善が行われない場合には「勧告」がなされ、特定空き家の敷地は住宅用地特例の対象から除外され、固定資産税や都市計画税の優遇措置がなくなります。

なお、施行前は、空き家であっても200平方メートルまでの敷地部分に対しては、固定資産税が6分の1に軽減されていました。

それでもなお放置すると自治体からの「命令」となり、従わない場合には罰金が科されます。そして、最終的には自治体が空き家を取り壊し、その取壊費用を所有者に請求するという「行政代執行」となります。

上記のとおりですので、特定空き家の指定を受けないように、実家に時々戻り、定期的に管理しておく必要があります。

なお、 相続又は遺贈により取得した被相続人居住用家屋又は被相続人居住用家屋の敷地等を、平成28年4月1日から令和5年12月31日までの間に売って、一定の要件に当てはまるときは、譲渡所得の金額から最高3,000万円まで控除することができます。(被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例)

これも空き家対策の一つです。

管理するか、売却か、「・・そうであれば相続放棄したい」という話にもなりますね。

日本人は新築が好きなんですね。