【遺留分減殺請求権  父の唯一の遺産である不動産が妹だけ?】

母は数年前に亡くなり、父は、1年程前に亡くなりました。

相続人は私と妹の2人だけです。父は、遺言書を残しており、父名義の不動産(土地・建物)を妹に相続させるとありました。他に遺産はほとんどありません。 

私は、自己の遺留分を請求したいと思いますが、具体的にどうしたらいいのでしょうか?

まずは、内容証明郵便等で遺留分減殺請求の意思表示をします。

これにより、不動産について、4分の1(遺留分割合)の持分を、当然に持つことになります。

そして、原則は現物の返還ですから、妹との共同申請で不動産登記をすることになります。

しかし、この場合、不動産の共有状態になり、後々紛争の種を残すことにもなりますから、遺留分に相当する価額を賠償してもらって解決する方法もあります。

 

では、妹が既にその不動産を第三者に売却していた場合はどうでしょうか?

この買主である第三者が、買受時に遺留分権利者に損害を加えることを知っていたときは、この買主に対しても遺留分減殺請求(内容証明等で意思表示)をすることができます(民法1040条1項但書)。

現実的には、この場合も他人との共有状態になりますから、遺留分相当額の価額を賠償してもらうことになると思います。(妹からか買主からか、どちらかですね。)

では、遺留分減殺請求権後に妹が第三者に売却していた場合は?

遺留分の限度で、所有権が遺留分権利者に復帰しますので、第三者との登記の先後により決められます。

第三者が既に登記をしていた場合は、妹に対する遺留分相当の価額賠償請求をしていくことになります。

 

いずれにしても、不動産からの賃料収入が見込めるなどの場合でなければ、金銭的に解決する方法がいいのではないかと思います。