【持戻し免除の意思表示の推定 改正相続法】

父が闘病の末に亡くなりました。相続人は、母と長男の兄、長女の私の3人です。

父は、自宅不動産を全て母に相続させる旨の遺言書を残していました。

他の遺産は預貯金です。

母が遺贈を受けた自宅不動産を、持戻して計算する必要がありますか?母の預貯金の取り分が少なくなり、生活が苦しくなるのではと思います。
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【持戻し免除の意思表示  家業の承継】

父は、先代からの家業である不動産賃貸をしていましたが、遺言を残さず亡くなりました。相続人は、母、長男、長女、次女です。

自宅不動産は父名義のままでしたが、父は生前、多くの不動産を、長男やその家族に贈与していました。

父の気持ちは聞いていませんが、会社員の長男が、家業を引き継ぐことになると思います。

遺産分割協議の際、長男への生前贈与を持戻して計算をしていいのでしょうか、持戻し免除になる場合とは、どのような場合でしょうか? “【持戻し免除の意思表示  家業の承継】” の続きを読む

【特別の寄与制度の新設】  

私の妻は、務めていた会社を辞め、私の父の介護を一生懸命にしてくれました。

その父が亡くなりました。生前父は、私の妻に感謝の気持ちを伝えていましたが、遺言は残していません。

私の妻は、父の相続人ではないので、相続財産からは何ももらえないのですよね?

 

改正相続法では、相続人以外の者の貢献を考慮するための制度が新設されました(民法1050条)。

本件のように相続人の配偶者等、相続人ではない者が、被相続人の療養看護に努めるなどした場合、その貢献に報いることが被相続人の意思に合致する場合が多いと考えられるためです。

この制度の要件は、①相続人以外の被相続人の親族、②無償で療養看護、その他の労務を提供したこと、③被相続人の財産の維持または増加、④寄与行為と財産の維持増加との間の因果関係、⑤特別の寄与です。

 

⑤特別の寄与にいうところの貢献の程度についてですが、相続人のための『寄与分』制度における「身分関係に基づいて通常期待される程度の貢献を超える高度なもの」との比較ではなく、その者の貢献に報いるのが相当と認められる程度の顕著な貢献と考えられているようです。

 

なお、この特別寄与料は、相続人の全員を相手にしなくても、一人または数人を選んで請求することができます。

そして、当事者間の協議で決めることができますが、話がまとまらないときは、家裁に対して、「協議に代わる処分」を求めることもできます。

 

この制度は、令和元年7月1日からの施行ですので、施行日前に開始した相続については、改正前の法律が適用されます。

そうすると、本件であれば、例えば夫の代わりに(履行補助者として)療養看護したとして、夫の寄与分の中で妻の寄与行為を考慮する形が考えられます。以上